日報と残業申請を、事務員が集め直さないための整え方
日報と残業申請の集め直しは、「だれに出すか」「出していない人をだれが追うか」「どの数字を正とするか」が決まっていない所で起きます。提出先を職員ごとに決め、催促を人の手から外し、残業は承認された申請を働いた日で数えると決めておけば、事務員の仕事は回収と写しから、照らし合わせと例外の確かめに変わります。
月末に事務員がしていること
複数の施設を持つ介護の会社では、日報と残業申請の「集める・追う・写す」が事務員に集まりがちです。まず、今している仕事を書き出します。
| 仕事 | よくある今の形 | 手間の元 |
|---|---|---|
| 日報を集める | 紙・メール・個人のLINE・グループLINE | 出す先がばらばらで、だれの分が来ていないか分からない |
| 出していない人を追う | 事務員が施設長や本人に電話・LINE | 休みの人と出し忘れの人を見分けられない |
| 残業を集める | 紙の申請書・口頭・月末の自己申告 | 承認されたかどうかが紙を見ないと分からない |
| 勤怠に写す | Excel や勤怠の仕組みへ手で入力 | 同じ数字を2回・3回書く |
| 本部へ報告する | 施設ごとに表を作り直す | 締めた後でないと数字が出ない |
書き出すと、事務員の時間の多くが「書くこと」ではなく「集めて、確かめて、写すこと」に使われていると分かります。
集め直しが起きる3つの原因
- 出す先が決まっていない。日報を施設長に出す人、本部に出す人、グループに流す人が混ざると、事務員が全部の入口を見回ることになります。
- 「出していない」を人が数えている。その日が休みの人まで追いかけると、催促がむだになり、本人にも嫌がられます。出す日かどうかはシフトで決まるので、シフトと切り離して数えると合いません。
- 正とする数字が決まっていない。残業は「申請した時間」「承認した時間」「打刻の時間」がずれます。どれを月の合計にするか決まっていないと、事務員が毎月どれかに合わせて直します。
先に決めておく4つ
| 決めること | 決め方の例 |
|---|---|
| 1. 日報の提出先 | 職員ごとに、日報を出すかどうかと提出先(施設長など)を決める。異動や休職の時は、変える日を決めて変える |
| 2. 催促の相手 | その日が勤務の日で、まだ出していない人だけに知らせる。休みの人には送らない |
| 3. 残業の合計の数え方 | 承認された残業申請を、承認した日ではなく働いた日(申請の日付)で、分のまま数える |
| 4. 照らし合わせの日 | 月に1回、申請の合計と打刻などの実際の時間の記録を照らす日を決める |
3は「承認が月をまたいだ申請はどちらの月か」で毎月迷う所です。働いた日で数えると決めておけば、月末の後に承認された分も、その月の合計に入ります。後から承認された分が入ったことが分かるよう、数えた時刻も残しておきます。
事務員に残る仕事
集めること・追うこと・写すことが減っても、事務員の仕事がなくなるわけではありません。残るのは、人にしかできない確かめです。
- 申請の合計と、打刻などの実際の時間が大きくずれている人の確かめ(申請しづらい空気がないか)
- 日報が続けて出ていない人の理由の確かめ(体調・異動・設定の漏れ)
- 差し戻しが多い申請の理由を施設長と話す
申請が無い残業でも、使用者の指揮命令のもとで働いた時間は労働時間で、賃金の支払いが要ります。申請の合計は、実際の時間の記録の代わりにはなりません(残業の事前申請のルール)。
出どころ:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html
よくある質問
日報を出していない人は、だれが追えばいいですか。
事務員が一人ずつ追うより、その日が勤務の日でまだ出していない人だけに知らせが届く形にします。休みの人まで追うと、催促がむだになります。
残業の合計は、申請・承認・打刻のどれで数えますか。
月の申請の合計は、承認された申請を働いた日で数えると決めると迷いません。ただし実際に働いた時間の記録は打刻などで行い、月に1回照らします。
日報や申請が仕組みに入れば、事務員の仕事は要らなくなりますか。
要らなくはなりません。集める・写す手間が減る分、申請と実際の時間のずれや、出ていない理由の確かめなど、人にしかできない仕事に時間を使えます。
日報は職員ごとに出すかどうかと提出先を決め、出していない人には知らせが届きます。本部は提出の状況と、承認された残業申請の合計(分のまま・働いた日で)を見られます。打刻・給与の計算はしません。実際の時間は今の勤怠の仕組みで記録してください。
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