残業の申請の時に「今月の合計」が見えると何が変わるか
残業の合計が月末の集計で初めて分かると、上限に近づいていても手が打てません。申請のたびにその人のその月の申請の合計が見え、本人が施設長に早めに伝えられれば、月の途中でシフトや担当を直す判断ができます。ただし申請の合計は、実際に働いた時間(打刻)とは別のものです。
月末に分かる残業では、間に合わない
介護の現場では、欠員が出た週に同じ人へ残業が重なりがちです。月末に勤怠を締めて「この人は今月こんなに残っていた」と分かっても、その月はもう終わっています。時間外労働には原則 月45時間・年360時間の上限があり、特別条項があっても、時間外労働と休日労働の合計で単月100時間未満・複数月の平均80時間以内などの決まりがあります。上限は月末に確かめるものではなく、月の途中で近づいていないかを見るものです。
出どころ:厚生労働省「時間外労働の上限規制」 https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/overtime.html
申請の時に見えると、だれが何を変えられるか
| だれ | 見えるもの | 変えられること |
|---|---|---|
| 職員本人 | 自分の今月の合計 | 「今月はもう多い」と施設長に言いやすくなる |
| 施設長 | 本人から聞いた今月の合計・申請の中身(運用で) | 次の週の担当や夜勤の回数を直す |
| 本部 | 施設ごとの偏り | 応援の手配・人を増やす判断 |
注意:申請の合計と、実際の時間は別
申請の合計は、出された申請を足したものです。申請しなかった残業や、申請より長く残った時間は入りません。実際に働いた時間の記録は、打刻やタイムカードなど客観的な記録で行い、申請の合計と大きくずれていないかを月に一度は照らします。ずれが大きい施設は、申請しづらい空気があるかもしれません。
出どころ:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html
始める時のこつ
- 合計を見せる目的(責めるためではなく、偏りを直すため)を最初に伝える
- 事後の申請も受け付け、合計に入れる
- 施設長が「今月多い人」を週に一度見る時間を決める
よくある質問
合計が多い人を注意するために使えますか。
注意に使うと申請が減り、実際の残業が見えなくなります。シフトや担当を直す材料として使うのが目的に合います。
36協定の上限を自動で見張れますか。
申請の合計を見るだけでは、休日労働や複数月の平均までは分かりません。上限の確かめは、実際の時間の記録をもとに勤怠の仕組みや社労士と行ってください。
職員がLINEから勤怠(残業)の申請を出す時に、その月の残業の申請の合計を見られます。36協定の上限の見張りや打刻はしません。実際の時間は今の勤怠の仕組みで記録してください。
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